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dynamic workflow でトークンが溶けると身構えたら、想像より“優等生”だった話

公開日: 2026-06-06

二年目は「雑にでも投稿する」と前回宣言したので、さっそく実践します。試してみたツールの第一印象、という一番ハードルの低いやつです。

今回のお相手は、Claude Code の dynamic workflow。一回の実行で複数のサブエージェントを並列に走らせ、調査・実装・レビューをオーケストレーションしてくれる機能です。

使う前のイメージと実際とで、いい意味で落差があったので、今日はその話を。


何をさせたか

自分がバイブコーディングで作った MCP サーバー(Minecraft の modding を支援するやつ)の改善をしてもらいました。

このMCPは正真正銘の全部バイブコーディング製で、私はコーディングもレビューも一切していません(使ってフィードバックを返すくらい)。そこに「実行効率・トークン効率・リクエスト/レスポンスの洗練・既存バグの修正、あらゆる角度で直して」と、いつもどおり雑な指示を投げました。

破壊的変更も許可したので、最終的には30コミット以上の規模になりました。


「1000体のサブエージェントでパワープレイ」ではなかった

dynamic workflow の売り文句に、こんな一文があります。

一回の実行で最大1000体のサブエージェント

第一印象は「ガンガン湧いて、バカスカとトークンを食う、物量で殴る系の機能」。今まで同時起動はせいぜい20体くらいだったので、どれだけ起動してトークンが溶けるのか、怖いもの見たさでエンターを押しました。

ところが、フタを開けてみると印象は大きく違いました。

サブエージェントは、たしかに使われます。でもその出番は 「大量のファイルを横断する調査」と「成果物のレビュー」にほぼ限定。コードを書き換えるのは本体(メインのループ)の仕事で、サブエージェントは判断材料を集める偵察隊、という役割分担でした。(よく考えれば当たり前なのですが)

たとえば一番の山場だった「最初の全体監査」では、一回で69体が動いていました。やっていたのは、

  1. トークン効率・API設計・バグ・プロトコルなど 8つの観点に分けて並列で調査
  2. 各観点の指摘を、別のサブエージェントが「本当にそうか?」と敵対的に再検証
  3. 生き残った指摘だけをロードマップに統合

数で殴るのではなく、「手分けして調べ、互いに検算する」ための数でした。おかげで、これまでのセルフレビュー指示では見つからなかったバグ(テストが全部キャッシュ素通りで、本物の処理を一度も踏んでいなかった類)まで掘り出されて、すこし驚きました。

身構えていた「物量でトークンを溶かす機能」ではなく、賢い参謀に大勢の調査員をつけた優等生なオーケストレーター。これが一番の印象です。トークンも、覚悟したほどには溶けませんでした(それなりには溶けましたが)。


一番うれしかったのは、レビューを勝手に続けてくれたこと

地味ながら、個人的に一番うれしかったのがこれです。

作業の途中で、私はこんな指示を出しました。

サブエージェントを駆使して複数の観点でレビューを実施、問題点があれば妥当性を検証のうえ対応

「実装したら、サブエージェントでセルフレビューまでやっといてね」というお願いです。その場でちゃんとレビューしてくれて、満足していました。

面白かったのはここから。この作業はフェーズがいくつにも分かれていて、私は途中から「次のフェーズ、再開して」としか言っていません。レビューはもう頼んでいない。

それなのに、以降のフェーズでも毎回、勝手にセルフレビューまで走らせてくれたのです。ログを見返したら、本人(Claude)がこう書いていました。

Phase 3 で確立したパターン(計画 → 実装 → レビュー)に従い……

一度頼んだ「レビュー」という工程を、実装計画の一部として覚え、以降は当然の手順として組み込んでくれていたわけです。

もしかすると、中身の Claude 4.8 が気を利かせただけかもしれません。ただ、これまではこういう “段取りの記憶” はあまりなかった気がするので、dynamic workflow の手柄ということにしておきます。


まとめ

dynamic workflow、使う前は「1000体で殴るパワープレイ機能」だと思っていました。実際は、

  • サブエージェントは調査とレビューに専念し、実装は本体がやる
  • 数で殴るのではなく、手分けして調べ、互いに検算するための並列
  • 一度頼んだレビューを、以降のフェーズでも勝手に段取りに組み込んでくれた

と、思っていたよりずっと優等生で賢い使われ方でした。期待外れというより、いい方向に予想を裏切られた第一印象です。

雑な投稿を、と言いながらそこそこの分量になりましたが、二本目はこのへんで。